微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
ため息をついてベッドに寝転がる。
「心配とか言うなら、息子残して海外旅行とか行くなよな」
いまさらそんな事を言っても仕方ない。
こういう時、母の勝手に苛々として、同時にどこか惨めでどうしようもない気分に落ちていってしまう。
それが単純に、母に関心を持たれていない事への“寂しさ”だと気付いたのはつい最近だ。
物心ついた時から母は無理しているように見え、子供心にどこか頼りなかった。
いい母親を演じようとしていたのかもしれない。
泣いている母を見て、哀れみの感情さえあった。
いつも父の機嫌ばかりを気にしているようだったし、父も俺には無関心のようだった。
……来月の誕生日で16になるのに我ながら情けない。
バッと起き上がり気合いを入れるため、ベッドを強く叩く。