水晶玉は恋模様
「ねぇ、そんなに気になるなら告白すれば。」

口数の少なかった望が、不意に口を開いた。
でも私は、力なく首を横に振ることしかできなかった。
頭の中が高沢で一杯。
だけど、きっと高沢は私の顔すら覚えてないだろう。
それに、溺愛中の彼女だって居るし。
まあ、溺愛なのは私のほうだけど。

私に、どうしろって言うの?
私は望みたく頭脳明晰でもないし、
圭子みたくずばずば物を言う事も出来ない。
私は……一番弱いんだよ。
どんなに強がっても、私には何一つ出来ない。
頼れる仲間が居なくちゃ、
怖がって周りの人と喋る事すら出来なかった。
それなのに、それなのに……。
私は、どうすればいいの?

「だーかーらー、告白だって!」

ちょっと苛々した圭子の声が響く。
だけど私は、少し唸る事しか出来なくて。
放心状態だった。
だって、そうでしょ?
こんなに短期間で恋に溺れたの、初めてだもん。
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