水晶玉は恋模様
以前は励ましてあげていた圭子。
その圭子が、今は私を励ましてくれてる。
それだけで、私は切ない気持ちになった。
きっと圭子は私より早く結婚するんだろうな……。
そんな事まで考えてから、思わず自分の頭を叩いた。
何考えてんの、私!

「うわー、何か妄想してるし~。」

望が私を小突いたので、
圭子もようやく夢物語を語るのをやめた。
そして、3人で笑いあった。
チャイムが鳴り響き、浅岡が教室に入ってくる。
髪の毛からしたたる汗を、ひじで拭って椅子に座る。
なるほどー、確かに圭子のタイプって感じ。
『水もしたたるイイ男』って奴?

「あっ、浅岡くぅん!」

すかさず圭子が駆け寄る。
浅岡はちょっと戸惑ったような目で圭子を見た。
まぁ、無理もないか。

「あの、あたし、サッカー部のマネージャーやりたいんだけど、
この申込用紙、顧問の先生に渡してくれないかなぁ?」

浅岡は可哀相に、完全に圭子のペースに流されてる。
戸惑いながらも頷いた浅岡に、圭子は最高の笑顔を見せた。
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