きっと、これは恋になる
「ごめん、別れてくんね?」
「いいよ、別に。」
今日も繰り返されるいつものこと。
この学校に入ってから何度目だろうか
多分、20回目は越えてると思う。
「はぁ…本当に疲れる…」
一人取り残された裏庭で
独り言を呟きながら木陰に座り込む。
「何落ち込んでんの?小笠原妹」
「…っうわ…!!」
気がつくと座り込む私を覗き込むように見る
律先輩の姿があった。
「びっくりするじゃないですかぁ…」
「ごめんごめん。」
そういいながらも笑う先輩。
「本当にびっくりしたんですから…」
「なら、もっとびっくりさせてあげよっか?」
「え?」
次の瞬間、一瞬だけ先輩の唇と
私の唇が重なった…
「ごちそーさま。」
「っ…先輩!何するんですか…っ!」
ファーストキスだったのに…
まだ誰ともしたことなかったのに…
「ごめん。」
そう一言呟くと先輩は真剣な顔をして
「さっき見てた。別れたんだよね?なら、俺と付き合って欲しい。ずっと前から好きだった。」
と私に言った。