おれんじ
第一話 必然に愛される
顔も大して可愛くない
頭も大して良くはない。
そんな私はいつまでたっても中途半端な生活を送っているまま。
第一話 必然に愛される
私は中原 遥。今年で高校2年生。賢くはないが馬鹿でもないという中ランクの学校にいる。
しかし、私には年子の弟がいて全国有数の私立中学清城中学に通っている。
そんな私よりデキル弟は勿論のこと、母親の愛情の行き先でもあるし、自慢の息子だろうね。
「遥ぁ、帰ろう♪」
「あ、優ちゃん!帰ろ〜」
久々の友達との下校。いつも友達の優ちゃんは彼氏と帰っちゃうから私一人の下校だった。だから今日は少し嬉しい。
「遥、今日はバイトないの?」
「今日は久々休みなの」
だから久々に早く帰れるんだぁ、塾だってない日だし。
「遥と帰るの久しぶりだ〜、何日ぶり?」
「彼氏さんと仲良しすぎだよ優ちゃんは〜。
…羨ましいぜ、ちくしょう」
なんとなく羨ましい。
優ちゃんは可愛いし、女の子っぽいし、彼氏できるのは分かってたけど。
「あーあ、せめて弟並みに頭良かったらなぁ。
救いあったのに」
「え、遥って弟いたの?」
「最近話してもないのが一人ね。
清城行ってる」
「何それ超エリートじゃん!!」
ほんと、弟に負けてる自分が情けない。