好き。
ピピッ――ピピッ――。


窓のすきまから日差しがこぼれる。

頭がぼんやりした。

目の前に見えてるものが
何かを認識するまでに時間がかかった。

「……朝…か。」


重たい体を無理やり起こし
大きな伸びをした。


カーテンをゆっくりあける。


眩しいくらいの太陽が
私の部屋を照らした。


なんで朝はいつも来るのだろう。
来なくていいのに。


なんて思いながら
制服に着替えて
下へ向かった。


「おはよう。」

コーヒーとココアの甘いにおいがする。

いつもの朝食。

食パンの上にジャム。

そして父親の姿。


「…おはよう。」

小さく呟いた。

「今日もいい天気だな。」

父親が話しかける。


「・・・うん。」


またしても小さな声で呟いた。



< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop