好き。
「どうだ、今度ピクニックでもしようか。
サンドイッチ食べながらでもおいしそうだな。」



返事を返さなかった。


「…お父さん、そろそろ会社行くな。」


ゆっくり席を立ちあがる父。


リビングを出て、父はドアを開け

―――ガチャンッ―――。
静かに響いたドアの音。



私は黙々と食べていた。


考える頭を持たないように。


――思い出さないように。


やがて私もご飯を済ませ
学校へ行く用意をした。



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