好き。

そして前を向き、

気持ちを入れ替えて

学校へ向かう。


――ガラッ。


教室のドアを開けた。

変に静かになるわけでもなく
騒がしくなるわけでもなく

普通に友達とはしゃいでる生徒達。

何がそんなに楽しいのだろうか笑っている。


「おっ、おはよう。奈菜!」


私はその言葉に反応し
後ろを向いた。

「えー、返事はー?」

「…おはよう。」


静かに呟いた。

「聞こえないんだけどー??まっ、いっか。今日も元気出すぞー」

私の前にいき席に座る彼。


関原 隼人


どこから上がってくるのか
いつもテンションが高くて
正直反応に困る。


するとその様子を見ていたグループが

「…ねぇ、見た?アレ。」
「そっけない感じだったよねぇ、何様?」
「大人ぶってんじゃないのー?」

という会話が聞こえてきた。

大人ぶってるわけでもないし
なんでそんな決めつけるかな。

と思う。

「大人ぶってるっていうかさ。」
「ん?何?」
「お母さんに捨てられたからじゃないの?」
「えー、まじで?!何その情報ー」

私の頭がグラリと揺れた。

吐き気が廻る

苦しさが襲う



私は教室を飛び出した。



『お母さん』


その存在って


「何」?









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