虹色パレット
触れてしまいたくなる。

指先が痺れている。


「あ、あたし…引きずるタイプじゃないんですけど、でも…やっぱり…ダメで…」



ポタポタと涙を落として。

馬鹿だな。

そんな顔をするなよ。


「その告白。あとで、ふたりで話そう」



頭を撫でた。

その先を聞いてしまえば、俺は男として最低なことをするだろう。


…抑えられない衝動。

頭を撫でることで、少しずつ落ち着いていく。



「今日、お前ん家行くから。絶対、行くから」



「…はい」



「泣くな…」



そっと抱きしめてしまった。

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