虹色パレット
「…なんちゃって。エヘ」


ふざけただけだという顔をして起き上がった。


「何ですか、エロイ顔して…」


「お前もな」


「いやいやいやいや、笹河さんには負けます」



ふざけたようには見えなかった。

ただ、縋り付くような…そんな感じだったんだけどな。


でも、今そんなこと言ったら気まずくなるな。


「お前、ゴリラみたいな顔になってるぞ」


「笹河さん、死んだ魚みたいな目をしていますよ」


あー言えば、こー言う。

それがあまりにもおかしくて、笑いが込み上げてきた。


蒼空も同じで、ふたりして笑った。


馬鹿だなって。

どうしようもなく、笑えてきたんだ。


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