虹色パレット
「空は…?」



答えはもう出た。

言い訳にしか聞こえないと思うが、多分…俺は、蒼空を求めていたんだと思う。

空に蒼空を重ねていたんだ。



こんなところが違うとか、こんなの蒼空じゃないって…。



「…何で……何で空を好きになったのよ!!空は…空はね…」



ポタポタと涙を落として、俺を睨む。

その先の言葉は聞かなくてもわかる。


何年も経験してきたんだ。


「好きだって……言ってた……最低、この馬鹿男!」

パンッ。

頬を叩かれて、少しスッキリした。


麻波は、走って出てった。


最低で最悪な俺。

…空と麻波に酷いことしたな。


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