虹色パレット
恥ずかしそうに俯くお前をどうしようもなく好きだということ。


「…はい」



まさか、あの終わった恋に続きがあったなんて。

しかも、予想外だ。


「蒼空、俺…」


と言いかけたとき、電話がかかってきた。


「もしもし」


『笹河さん?』


空…。

麻波に何か言われたのか?

少しドキドキしていた。


『あ…の、渡したいものがありまして…形は変ですけど、味は大丈夫なんで』



「…悪い…」



それしか言えなくて。

それを受け取れば、確実に誤解するだろうし。


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