虹色パレット
「ごめんな」


ブツリと電話を切った。

あんなに待ちわびていた電話もメールも。

今では、もう…。


「蒼空」



「笹河さん」



「心配するな…もう、離さないから」



強く抱きしめた。

痛いくらい、強く強く抱きしめた。


好きだということをわかってほしくて。

離したくないということをわかってほしくて。


「………あ」



「何だ?」



「あ、あれ…」



俺の後ろを指差して、震えていた。


……あ、死ぬ。


「何、あんたらヤっ…」



「待て、コラ」



千波がニヤニヤしながら、俺達を見ていた。


何でわかった?

俺達、服着てるんだぞ。


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