虹色パレット
どうして、簡単にそんなことが言えるんだ?

俺達、恋人だろ?


「あ…の…」



「…今日はもう帰れ。頭冷やしたいんだ」



「え?」



コートを脱いで、イスに座った。

もう何も話したくなかった。


些細なことなのに。

ガキみてぇに怒る俺をお前は、どう思ってる?



「…わかりました」



パタン。



わがままだってわかってる。

わかってんだよ。

くそっ、格好悪いな俺。


イライラしながら、タバコを吸った。


「笹河さん」


「うるせー!!」



そう言って振り返ったとき。

あの人がいた。


「ご、ごめんなさい…」


10代目……。


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