虹色パレット
蒼空は、嫌がるわけでもなく、ただ苦笑いをしていた。


「空に言うぞ!」


「ちょっ、冗談!それにアメリカじゃ、抱き合うじゃん!」


「空は嫌がるだろうなぁ。彼氏が、他の女と…」


「俺、マジ空ちゃんのこと愛してるし!体全体で表したいし!」


体全体でねぇ。

……おもしれぇ!


俺は携帯をそっと取り出して、空に電話をかけた。

空、ちゃんと聞いてろよ。



「空のこと、どんくらい好き?」



「もうねっ、俺の命より上!体や命あげてもいいくらい!マジ愛してる!大好き、好き!」



…さてと。

『…き、紀一さん…』


「だってよ。こんなことデカイ声で言ってる馬鹿と話してやって」


『は、はい!』



紀一に携帯を渡すと、俺を見て驚いた顔をした。


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