虹色パレット
「ほれ、空だぞ」



「え?もしかして、今の…き、聞かれて…」



「マジ愛してる!大好き!好き!…だっけ?」



顔を真っ赤にしながら、口をぱくぱくとさせていた。

ふん。

お前は、本気で好きになった女にはストレートに言えないもんな?


人にどうこう言う前に、自分の恋愛、どうにかしろ。


恐る恐る俺の携帯に耳を当てた。


「そ、空ちゃんかなぁ?いや、悪くないよ!…ちょっ…俺、馬鹿だねぇ…ハハハっ……うん……うん。じゃ、うん、またね」



恥ずかしそうに、髪をぐしゃぐしゃにしながら電話を切った。


けっ、思春期か。


俺達が、ニヤニヤしながら見ていると、いきなり寝室へと走っていった。


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