虹色パレット
「逃がさねぇよ」



パンッ。



乾いた音が響いた。


一瞬だけ、蒼空が頭の中でちらついた。


俺は拳銃を落とした。

久しぶりに撃ったもんだから手が震えた。





「ふ…ふ……終わり…だ。笹河ァ!」





撃たれたのは、俺だ。

背中に鋭い痛み。


倒れた俺の頭を踏んで、嘲笑う阿波。



……馬鹿だな。



俺が、そう簡単にくたばるわけねぇだろ!



阿波の足にナイフを刺した。



ちっ………視界がぼやけてきた。



「答えろ」



「うっ…ぐぅ……」



「聞こえなかったか?」



側に落ちていた拳銃を拾って、阿波に向けた。



「お前の……親……父」



…親父?

……なるほど。



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