虹色パレット
「笹河さぁん…」


泣きながら、抱き着いてくる組長。

組長…まず、札を捨ててください。



「笹河っ、ど、どけ!」



阿波が俺と組長を引き離そうとした。

ふん、馬鹿が。



「組長、こいつですよ!」



「い…いやぁぁぁぁ!!逃げましょう!」



持ってた札を阿波に張り付けたり、お経を唱えたりしている組長が、あまりにもおかしくて笑ってしまった。



「笹河、覚えてろっっ」



「今日中に忘れてやる!」



阿波が涙目になりながら、組長に貼られた札を剥がしていた。



「手強いですよっ、このお化けっ」



「組長、そろそろ…」



組長はハッとして、また俺に抱き着いた。


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