虹色パレット
俺と紀一もコートを持って、外に出た。

美月と変態3人は、家でゆっくりしているらしい。



「行ってきまーす」



お参りなんて何年ぶりだろう。



俺達、3人は歩いて神社に向かうことにした。


周りは、騒がしい。


着物姿の女。


はしゃぐ子供。


酔っ払ってる男。


家族。


恋人。


友達。



肩がぶつかりそうで、ぶつからない。

足を踏みそうで、踏まない。



「何祈るー?」



「今年も皆さんとずっと一緒にいられるようにって」



「俺はぁ、今年こそモテるようにって」



ちらりと俺を見て、早く言えと急かす。



「俺は…」



俺は…。

何もない。


健康?

金?

仕事?


何も思いつかない。


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