虹色パレット
緊張するな…。

いつも無意識にしてたからな。

あー、何か考えよう。


美月に何か買ってやるか。

阿波の奴には、恋愛のお守り買ってやるか。

ゴリ男は…健康にするか。


「……」



…見られてる?

背中に視線を感じて、少しうしろを見た。



「…あ」



女…どっかで見たと思えば、阿波んとこにいた女だ。

俺が着替えてたら発狂した女。



「何だよ」



「あ…ち、ちょっとお参りに来ただけよ!たまたまっ、あんたを見つけただけよ!」



…だから、何で叫ぶんだ。



「笹河さん?」



組長がビクビクしながら、俺の手を強く握った。


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