虹色パレット
妊娠検査薬。

これをあいつにやらせるしかない。


もし、妊娠してるなら…産むのか?



「あら、彼女さん妊娠したの?」



妊娠検査薬を買おうとレジに持っていくと、産婦人科の中原さんがいた。


中原さんには、昔世話になった。


アニキの嫁さんを連れて、中原さん家に連れていったことも。



「いえ…知り合いが…」



「ふふ。こんなおばあちゃんでも役に立てることはあるかしら?」



もう…50歳だっけか?

まだ30代に見える。



「あ…じゃあ、話聞いてくれますか?」



「いいわよ。もうすぐ仕事終わるから」



「じゃ、そこのカフェで」



中原さんと約束をして、俺は千波の待つカフェに向かった。


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