虹色パレット
「遅れて悪い」



「ううん。あ、コーヒー頼んどいたから」



「サンキュ」



俺は、千波の隣に座った。



「ちょっと…普通は、向かい側に座るでしょ?」



「今、知り合いが来るから。それまで、お前の悩み事聞くから」



千波は、まだ何か言おうとしたが黙ったままホットケーキを食べた。



「あたしね、元カレと…してからずっと、気分悪くなって…ご飯も食べたくなくなって…もしかしたら…妊娠してるかも」



「…これ使ったことあるか?」



さっき買ったものを千波に渡した。

千波は不思議そうにそれを見た。


使ったことないよな、やっぱ。



「妊娠検査薬。意味はわかるな?」



「うん…」



「家帰ったら使えよ?」



千波の頭を撫でて、運ばれてきたコーヒーを飲んだ。


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