虹色パレット
10分くらいして、中原さんがやってきた。



「あら、可愛い子ね」



「あ、千波。こちら中原さんだ。中原さん、こいつは千波って言います」



「は、初めまして」



中原さんは、ギュッと千波の手を握った。

そして、にっこり笑って千波を安心させた。



「千波ちゃん、ゆっくり深呼吸してごらん?目を閉じて…」



さすが、中原さん。


高校生のとき、俺が落ち込んでいるのを見て手を握って励ましてくれたな。


俺は、席を外すことにした。


外のベンチに座って、ボーッとしていた。


千波も苦労してんだな。


あいつは俺を励ましてくれてた。


…俺もあいつの力になろう。


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