虹色パレット
あぁ、俺が緊張するなんて。
マイクの前まで、あと5歩。


はい、あと……って歩幅がでかすぎた!


もうマイクの前。



「古典担当の笹河慶です。よろしくお願いします」



シンプルだなと思いながら、席に戻った。

戻れば、隣の英語教師の手が震えていた。



「大丈夫っすか?」



「あ…だ、大丈夫…です」



いや、顔色悪いし。

震えてるし、汗もハンパない。


それでも、挨拶をする為、ゆっくりとマイクの前へ。



「高羽幸也で…す!え、英語担当です!よ、よ、よろしくお願いします!」



生徒達は、可愛いーとか何とか言っていた。

…高羽幸也…ね。


そんなんで生徒達に教えられるのか?



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