虹色パレット
放課後になれば、俺の体力はなくなっている。

冷めたコーヒーを飲みながら、高羽に愚痴をこぼす。



「あいつら、何様なんだよ」



「僕も『高羽ちゃん』とか『幸也君』って…」



「そんなの怒れば…」



「仲良くしてくれてるから、怒れないんですよ」



そんなんやってたら、ストレス溜まりそう。

仲良くしたって、あいつらは卒業すれば忘れてくんだ。


忘れてなくても、いたよな、みたいな感じなんだよ。



「笹河先生って冷めてますよね…」



「そう?」



「何故教師を目指したんですか?」



…何となく持ってただけなんだよな。


< 324 / 400 >

この作品をシェア

pagetop