虹色パレット
教員免許一応取っとけって言われたからなぁ。

一生必要ないと思いながら取ったんだよな。



「何となく」



「そうなんですかぁ。僕は、高校生の時の担任に憧れてなろうと思ったんです」



憧れ…ね。


嬉しそうに笑う高羽。

まっ、頑張れ。


俺はノートパソコンを開いてプリントを作った。


三者面談のプリントをな。

地獄だよな、こんなの。


溜息をついて、やる気を出そうと辛いガムを噛んで取り組もうとすると、俺が受け持つB組の女子生徒が来た。



「何だ?」



「笹河先生の彼女って、可愛いよねぇ」



「は?彼女?」



「あれ?いるよね?」



彼女?

…あ、もしかして。


組長のことか?

…こいつらに見られてたなんて。

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