虹色パレット
「就職なら大丈夫っ。あたし、大手企業の社長の娘だから」



…相澤リア…相澤…。

あぁ、誰かが言ってたな、大手企業の社長の娘がいるって。


高辺だっけ?



「どうせ政略結婚させられるし。今の内に遊んでおきたいんだぁ」



意外…っていうか、こいつも大変なのか。



「相澤」



「あ、三者面談は最終日の最後にしてね」



俺の肩を叩いて走って出ていった。



『笹河先生のこと、好きだからだもん』



『先生』



俺は急いであいつを追いかけた。

あいつ、足速いな。


俺は無意識に屋上に向かった。


あいつ、よく屋上にいるよな。


…間に合ってくれよ。



重く閉ざされていた扉が半開きになっていた。


鍵は粉々。


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