虹色パレット
「相澤ァ!」



「あ、先生」



勢いよく入ると、相澤が柵の外にいた。

笑顔で振り返って、今の状況をわかっていないような…。



「何やってんだ」



「…先生、あたしと付き合ってくれる?」



「好きだからじゃない、俺を使って家から逃げたいんだろ?」



黙り込む相澤。

やっぱりな。


まったく。
だから勉強しろって言っただろーが。



「嫌なら嫌って言えよ。自分の気持ちをちゃんと言えよ」



俺にはわかんねぇよ。

お前は、いつでも自分の気持ちを伝えられるじゃねぇか。



「もし、言ってもダメだったら?」



「俺がお前ん家に乗り込んでやるよ」



相澤は笑いだして、戻ってきた。



「死ぬ気なかったよ」



ニコッと笑って俺に抱き着いてきた。


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