虹色パレット
「でも、いつまでもお父さん達に甘えてるわけにはいかないから、この子産んだら一人暮らしする」



「産んですぐはダメだからな」



「え?」



「本見て育てるより、お母さんに教えてもらって一人でも大丈夫ってなってから一人暮らししろよ」



何もかも一人で、できるわけないだろ?

それに、俺も手伝う。

俺、一応仕事で経験してるし。



「うん、わかった」



「焦らずゆっくりとやればいい」



母親になるんだから。


俺は、もう一度、千波の腹を撫でた。



「また来るからな」



「明日も?」



「あぁ、邪魔じゃなければ」



「いつでも来てよ」



「わかった。じゃ、おやすみ」



千波の家から出て、家へ戻る途中、電話がかかってきた。


< 341 / 400 >

この作品をシェア

pagetop