虹色パレット

俺に関してはいつも嫌ってほど、知りたがって纏わり付いてきたくせに。


自分のこととなると、何でもないような顔をしている。



｢馬鹿が｣



｢…ゴメン｣



お前が骨折れてなかったら、ぶん殴ってた。

俺の優しさに感謝しろよ。



｢頼りないか？｣



｢違う…本当は頼りたかったけど…｣



｢何だよ｣



｢慶は教師だぞ？短期間でも。問題起こせば、春香の信用もなくなるし、慶を信じてる生徒を裏切ることになる｣



それでも、俺は…。



｢それにこれは俺の問題だから。慶は、しっかり先生やれよ｣



｢お前…いつから人のこと心配できるようになったんだ？｣



｢えー、酷いー｣



きっと何言っても、頷かないだろう。

仕方ない、こいつにばれないように動くか。


しばらく、動けなさそうだからな。