虹色パレット
紀一を担いで、車に乗せた。



「ちょっ、信号…赤!!」



「ギリギリ赤になっただけだ!」




紀一に電話をかけさせてみた。

今、どんな様子なのか、何となく探らせた。



「組長、ごめんね。ちょっと色々とあってさ……うん、うん。もう着くよ」



怒って…ないよな?

怒ってたら、土下座するしかない。


もうプライドも何もかも捨ててやる。


紀一が電話を切ると、真っ青な顔になって俺を見つめてきた。



「…帰りたくない」



「は?」



「ご、ゴリ男達が…」



何だよ、組長に何かやったとかか?

んなことしたら、生きて帰すわけにはいかねぇ。


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