虹色パレット
すぐに組長は寝てしまった。

俺は、起こさないようにそっと抜け出して、リビングに戻った。



「紀一」



「あ、慶。遅かったね」



「そうでもないだろ。つか、こいつら起きないの?」



「起きないよ」



何の用でここにいんだよ。

人ん家で酔っ払って、怪我したり、欝みたいになったり。

何なの、こいつら。


溜息しか出ない。




俺が教師になってから、今まで以上に面倒なことが増えた……気がする。


< 353 / 400 >

この作品をシェア

pagetop