虹色パレット

×最後の教師生活×

時間ってのは、早いもんだな。

もうすぐ夏休みがやってくるんだ。


俺は夏休み前に、教師という仕事が終わる。



「慶ちゃん、お昼一緒に食べよう」



相澤が、ベタベタとくっついて腕を引っ張る。



「友達と食えよ」



「だから、友達も含めて一緒に食べよってこと。てか、クラスの皆と一緒にってこと」



はぁ?

俺は、静かに飯食いたいんだよ。

静かに食って、静かに寝たいんだよ。



「もうすぐ辞めちゃうんでしょ?思い出作りたいの。最後まで…」



…仕方ないな。
別に思い出なんて…いらねぇよ。


思い出してしまえば、きっと俺はまた…。



「ほら、行くよ」



ちょ、待て。

購買行かなきゃ、俺の飯が…。



「今日はね、先生の分も作ってきたから」



いらねぇ!!

嬉しくねぇし、お前の飯って何が入ってるかわかんねぇから怖い…。


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