虹色パレット
褒めるとお世辞とか、嫌味だとか言うだろうから言わない。

まぁ、似合ってる。


ホテルを出ると、昨日の運転手が笑顔で手を振ってきた。


あのオッサン、何であんなに元気なんだよ。

俺より飲んでたはずだろ。


「昨日、何時まで飲んでたと思う?」



千波が、悪魔に見えてきた。
やっぱ怒ってるよなぁ…。


ええと…確か…。



「い、1時?」



「残念。3時」



そりゃ怒るよな。

…でも、誰がホテルまで連れてってくれたんだ?



「マックスさんだよ」



マックス?


ちらっと運転手を見ると、ニコッと笑った。



…あんたが、マックスか。



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