虹色パレット
式場に着くまで、頭痛と千波の小言と闘っていた。


「笹河さん、大丈…」



「蒼空の不細工な面見に来たんだ。カメラOKだ」



強がってみた。
馬鹿だよな。

俺は笑ってみせた。


千波も安心したのか、俺の背中を叩いて笑った。



とりあえず、俺らは控室に向かった。


蒼空に会う為に。



この扉を開ければ、あいつがいる。

心臓が破裂するんじゃないかってくらいドキドキした。


「笹河さん」



「あぁ」



深呼吸をして、扉を開けた。



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