虹色パレット
「わぁっ、ありがとう、ゴリ男さん!」



千波っ、こんな奴に感謝なんてするな!

くそっ、俺も何か…。



ポケットの中をゴソゴソとしていると、波紀が俺の服の袖を掴んだ。



「笹河さん、抱っこしてあげて」



「お、おう」



柔らかい。

てか、肌スベスベ。

頬を優しくつっつくと、俺の指を掴む。


…可愛いな。



「笹河さん、また目キラキラしてるー」



馬鹿にしたように言う千波。

よく見ろ、可愛いじゃねぇか。


あー、ガキは嫌いだと思ってたけど、やっぱ好きかも。


まぁ、今喋れねぇし、小さいから……今だけか、可愛いのは。



「俺にも抱かせろ」



ゴリ男が俺に近づいてくる。


すると、波紀が泣き出した。

それが合図のように、千雪も泣き出す。



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