虹色パレット
『本当よ!あたしの妹がさ、今から空って子と会うって…』



「ちょ、ちょっと待て!今、どこだ!?」



『渋谷っ』



「すぐ行く!」



チャンス!
これはチャンス!

アドレス聞けるだろっ。



「五竜っ!出かけてくるっ」



俺は急いで着替えた。


携帯OK。財布OK。
髪OK。顔……あ、メイク…。


顔を洗いながら、どうアドレスを聞くか考えていた。


ナンパするように聞くのはダメだ。

…教えてくれる?ってさりげなく言う?


こんなに考えるのは、本当に久しぶりで、今までの俺はどんなのだったか忘れてしまった。


< 54 / 400 >

この作品をシェア

pagetop