虹色パレット
「やっぱり、笹河さんだ」



「お、おぅ」



「さっき、麻波からメールもらって…電車に乗ってたんで、ここにいれば笹河さんに会えるかなぁって」



携帯を取り出して、メールを見せてくる空。


麻波…千波の妹か…。



【そのまま電車に乗ってて!笹河さんって人に会えるらしいよ】



「ち、千波め…」



「会えましたって送りましょうか」



【千波さんへ。会えましたよ】



好きだ。この笑顔。


俺は空の肩を掴んで、抱き寄せた。



「あのさ…アドレス、教えて…」



「あっ、私も教えてほしいです!あの時、聞き忘れちゃって…よかったぁ」



…何か、さっきまで焦ってたのが馬鹿らしい。


空は俺の腕を掴んで、笑った。

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