虹色パレット
「…飲み物欲しいんだけど」


「そこ、冷蔵庫にあるだろ」


「寒いじゃん。もうすぐ冬だし」



いきなりそんなことを言われても。

俺は仕方なく、新しいマグカップを箱から出して温かいコーヒーを入れた。



「砂糖いるか?」



「いりません」



太るからか?

なんて、蒼空に何度も言ったっけ。


…あぁ、やべ。
また思い出した。


コーヒーを一口飲んだ。
やっぱりダメだ。


俺は砂糖をたくさん入れた。


入れないといけない。

そう思うと手が止まらなかった。



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