虹色パレット
「笹河さんって流されやすいと思ってるの」



「は?」



「好きな人に誘われたりしたら、中学生だろうが、高校生だろうが、絶対流されるね」



…んなことない。
絶対ない。

流されやすいなんて…そんなこと…。


「でも、流された後もしっかりできるとも思ってるから。焦らずがんばってよ」



「あぁ」



そうだな。
焦らず、ゆっくり。

俺は、深呼吸をして空達のところに戻った。



「笹河さんですか…」



じっと俺のことを睨む麻波。
…千波とそっくりだなぁと思っていたが、性格まで似てるとは。


千波が2人いるようで、怖いな。


< 60 / 400 >

この作品をシェア

pagetop