虹色パレット
次の駅で降りて、5分くらい歩くと喫茶店を見つけた。



「ここっ。超有名なんだから」



店の中に入ると、男なんていなくて気まずい思いをしながら席に着いた。


女子高生やOLなど、若い女しかいない。

店員もモデルのような美人。



「おい…」



「新しくできたんだけどさぁ…」



「こら、千波」



「なぁに?」



「男が一人もいねぇぞ」



「あぁ。確かにね」



あっさり言うなよ。

メニューを見ながら、テキトーに返事をする千波。


俺も仕方なく、メニューを見てコーヒーを頼んだ。



「ちょっと笹河さん。パスタ食べなさいよ」



「あ?」



「ここはね、パスタ頼まなきゃ意味がないのよ」



何食おうが、飲もうが俺の勝手だろ?


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