虹色パレット
「…売られたいのか」



「売るって…どこに!?」



「そりゃ…色々と。ヤクザだからな」



涙目になりながら、必死に写真を隠す千波。

俺は右腕で千波を持って、左手で写真を奪おうとした。


それでも、諦めない千波。

…おいおい。



「馬鹿」



ストンと、千波を降ろすと崩れるように座り込んだ千波。



「高いとこダメなのか?」



「ち…違う…」



頭を撫でてやると、泣いてしまった。

…ふざけ過ぎたな。



「悪い」



「うっ…うぁぁぁん…っうう」



まさか、泣くとは思わなかった。

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