虹色パレット
しかし、どうしよう。
こんなとこ誰かに見られたら、千波をイジメてると思われる。

何とか泣き止ませようとしたが、泣き止むことなく30分は経ったか…。



「好きなケーキ買ってくるから…あ、何かひとつだけ…いや、何でも願い聞いてやるから。マジで何でも…」



「ううっ…」



「何でも聞くから」



1時間は経つよな。
女ってのは、本当にすごい。

1時間経っても涙が止まらないんだからな。



「…ん?」



しばらくして、モソモソと何かつぶやいていた。

耳を近づけると、俺に抱き着いて言った。



「別れちゃったの…」



「は?」



別れた?って……。

え、マジで?



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