ひまわり
朝、気が付くと花屋の前に立ったあたしは


「いらっしゃいませ」


と声を掛けられて、我に返り走り去ってしまった。



その花屋には今朝と同じように笑顔のまぶしい男の子がいた。



「あの・・・えっと・・・」



あたしが声を掛けると彼は


顔をあげて


「あ、今朝の・・・」



「今朝はすいませんでしたっ!あたし、なんかよく分かんなくてっっ」



「いいよいいよ!」



「あ、じゃ、失礼します。」


ぺこりと頭を下げて

歩き出そうとした。


すると


「よかったら花を見ていかない?」


「・・・じゃあ、ちょっとだけ。」


店の中入ると、そこは花でいっぱいだった。



小さな店の中は花で埋まっている。


今まで花なんてじっくり見たことがなかった。


気に留めたことなんてない。


けど、こうやってじっくり見てみるとすごく新鮮な気がした。





< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop