Strawberry & Nightsing
「……けどな…撫子…。俺は……諦めねーから。必ず、師匠を超えてやる。どんな手を使ってもきっと…!だから強くなる。もっともっと!!誰よりも!!何よりも!!強く!!」
握りしめた手が強く握り返される。
「藤矢…くん…?」
顔を上げて、私を見る藤矢くんの目には。
悲しみの色はなかった。
あったのはたった一つの揺るぎない覚悟。
その瞳が近づいてくる。
そして、そっと――。
私の唇に、藤矢くんのが重なった。
たった一瞬。
触れるだけのキス。
「必ず強くなるから」
藤矢くんはそう言い放つと、私の手を振りほどき、背を向け去って行った――。