メガネ男子が好き。
「ありがとうございました…
あの、私…
ここでピアニストをしているんです。」
「そうなんだ。
演奏に間に合わなくて
残念だよ。」
ピアニストの《私》と
話すつーちゃんは
カフェの時とは違って見えた。
大人というか
話し方も対等な感じ。
「な、名前、聞いてもいいですか?」
「名前?
あー、
高津燿(タカツヨウ)。」
高津燿。
つーちゃんというニックネームは
きっと《高津》の
《つ》から来たんだろうな。
初めて聞いたフルネームに
私の心は密かに揺れた。