あひるの仔に天使の羽根を
何だって!!?
「どうすんだよ、玲!!! 破壊出来ないのなら、取る術ねえじゃないか!! それとも今の破壊で、生命の樹とかいう奴の力の連携、崩れたか!!?」
すると玲は首を横に振る。
「力の量、流れは…何1つ変わっていない。櫂もそう感じているだろう」
「どうされますか、玲様。1度戻りますか?」
桜の問いに玲は少し考えて首を振った時、また電子音が響いた。
「レグの……紙…?」
櫂が何か言っているのか。
「確かにそうだな。魔術的要素が強いこの地の設計は、恐らくレグ主体だろう。だとしたら、レグのメモのようなものを各務と神父達が奪おうとした理由……成程、櫂の言う通り、それが此の地の弱点の可能性はある。緋狭さんも言ってたしな。
大きくなる各務と神父の力を事前に危惧し、それを牽制しうるだけの方法を、レグは前もって書き留めていたということか」
俺なりに考える。
「つまり、あの変な暗号みたいのを解けっていうことか?」
玲は、怜悧な鳶色の瞳を光らせ、肯定した。