あひるの仔に天使の羽根を
・双子 櫂Side
櫂Side
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「え? ゲームの登場天使と悪魔?」
氷皇の薄い笑いに、遠坂は怪訝な顔をした。
――KANANというゲームにおける、10体ずつの天使と悪魔は知っているか?
俺は――
玲と遠坂が躍起となっていたゲームの詳細は知らない。
ゲーム概要はそれとなく聞いているが、登場する20体もの天使と悪魔の名前の知識はなく。
「天使は、メタトロン、サンダルフォン、ミカエル、ラファエル、ガブリエル。ザフキエル、ラジエル、ザドキエル。ええ~と、カマエル、ハニエル!!」
指折り名前を紡ぐ遠坂に、芹霞が感心したような声を出す。
「よく覚えてるね、由香ちゃん。あたし基本カタカナ嫌いだから駄目だわ」
お前、英語も国語も不得意だったよな。
「ゲーマー魂を馬鹿にすんなよ? 次は悪魔だ。サタン、ベルゼブブ、アスタロト、アスモデウス。バール、ルキフグス、ベルフェゴール、アドラメルク、ナヘマー。そして最後は、ええと最後は……」
「リリス。唯一の"女"だ」
氷皇が口許で笑いながら言い放つ。
まるで、何かを含んでいるように。
「リリス……? 何か聞いたことがあるような…ああ!! 司狼があたしがその"リリス"だとか。失礼よね、悪魔と一緒にするなんて。大体どんな奴よリリスって。すっごい化け物なのかな」
芹霞は憤っているようだが、
「芹霞ちゃん、判らないようだね。リリスとは、聖書におけるアダムの花嫁。アダムを裏切り、サタンの…敵の大将の妻となった、原初の"女"だ」
愉快そうに笑いながら、氷皇がビールを口に含んだ。
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「え? ゲームの登場天使と悪魔?」
氷皇の薄い笑いに、遠坂は怪訝な顔をした。
――KANANというゲームにおける、10体ずつの天使と悪魔は知っているか?
俺は――
玲と遠坂が躍起となっていたゲームの詳細は知らない。
ゲーム概要はそれとなく聞いているが、登場する20体もの天使と悪魔の名前の知識はなく。
「天使は、メタトロン、サンダルフォン、ミカエル、ラファエル、ガブリエル。ザフキエル、ラジエル、ザドキエル。ええ~と、カマエル、ハニエル!!」
指折り名前を紡ぐ遠坂に、芹霞が感心したような声を出す。
「よく覚えてるね、由香ちゃん。あたし基本カタカナ嫌いだから駄目だわ」
お前、英語も国語も不得意だったよな。
「ゲーマー魂を馬鹿にすんなよ? 次は悪魔だ。サタン、ベルゼブブ、アスタロト、アスモデウス。バール、ルキフグス、ベルフェゴール、アドラメルク、ナヘマー。そして最後は、ええと最後は……」
「リリス。唯一の"女"だ」
氷皇が口許で笑いながら言い放つ。
まるで、何かを含んでいるように。
「リリス……? 何か聞いたことがあるような…ああ!! 司狼があたしがその"リリス"だとか。失礼よね、悪魔と一緒にするなんて。大体どんな奴よリリスって。すっごい化け物なのかな」
芹霞は憤っているようだが、
「芹霞ちゃん、判らないようだね。リリスとは、聖書におけるアダムの花嫁。アダムを裏切り、サタンの…敵の大将の妻となった、原初の"女"だ」
愉快そうに笑いながら、氷皇がビールを口に含んだ。