あひるの仔に天使の羽根を
 


時間を告げるこの鐘が――

"奴"の出現する時間でもあるのなら。



この鐘の音は、絶望ではなく希望。



今、その時間に感謝しよう!!!



僕は立ち止まり、天井に向けて外気功を放った。




「――…うっ!?」





不穏な動きする心臓を、片手で押さえ込んで。


僕は横壁の反動を利用して、穴を駆け上り…地上に出る。



その景色は、一度目にした場所で。



信徒ではない…一般女性が住むという街。



僕はそこで…"奴"を見た。



そうあれは――




――カラーン




死神ではなかったんだ。




あれは人間。




あれこそが――



"断罪の執行人"。



僕の心に、惑う気持ちはなく。

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