あひるの仔に天使の羽根を


言い争いをしながらも、月は次々と行く手を阻むはずの罠を、手際よく解除していく。


「マジかよ。

俺より手慣れてるなんて……」


煌の顔は引き攣っている。


そして一際大きな老木に行き着くと、


「ここに入る~。これ抜け道~」


張り出した大きな根に覆っていた大量の落ち葉を、

月が掻き上げれば大きな穴が見えた。


「行くよ~?」


月は無邪気に笑うと、その穴を潜った。


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